こんにちは。
私、けっこう新書を読むのが好きなんです。
新書っていうと、お硬い内容でワクワクしない本の集合体みたいなイメージを持たれているような気がしますが、決してそんなことはありません。
新書でこんな分野、テーマを扱ってるのか!とけっこう驚かされます。
新書の魅力についてはまた別の記事でご紹介しますね。
というわけで早速、今回の本はこちら
「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥」
なんとも気になるタイトルですが、ニワトリについてここまで色々書いてある本もなかなかないのではないでしょうか。
著者は本のタイトルにある通り、ニワトリは人間の愛を獲得した鳥だと言います。
人間の生活に入り込むニワトリ
豚のように宗教上の理由で食べない、という地域もほぼなく、牛肉のように値段が高くなりすぎることもなく、小型で小さな庭でも飼える。
大昔の人々は、小さくて船に乗せやすいこの家畜を、いち早く世界中に広めていったのです。
確かに、牛や豚や羊を運ぶよりは楽かもしれません。
鶏卵も、そのまま食べるのはもちろん、ハンバーグのつなぎになったり、お菓子の材料になったり、加工食品に含まれていたりとありとあらゆる姿に形を変えて人々の口に入ってくる。
ここまで汎用性がある食材はなかなか無い。
けれど私は、本の中で語られていたかつての日本人のニワトリに対する価値観が好きです。
日本でニワトリが飼われ始めたころのニワトリは、なんと食用ではなく観賞したり愛玩動物としての存在だったというのです。
そして正確に時刻を告げるこの鳥を、時計代わりに愛してきたのです。
なんだか、美しさや文化的なものを大事にしてきた日本人の心を感じます。
そうやって、ニワトリは人類の歴史の中でも早い段階で人の生活に入り込んでいったのです。
ニワトリの祖先はすべて同じ?
私が本書の中で印象的だったのは、いま世界中にいるすべてのニワトリがたった一種類の同じ先祖を持っているということ。
その名もセキショクヤケイ。赤色(セキショク)、文字通り赤っぽい羽の鳥です。
イラストも載っているのですが、なにせ白黒イラストなもので、ネットで画像検索しました。・・・で、
かわいい〜!もうフツーにニワトリです。
人によってはニワトリのあの独特の目つきや脚なんかが怖いという人もいますが・・・
私はどんな鳥でもかわいいですよ!!
祖先は一種類しかいないのに、いま世界中にたくさんの品種のニワトリがいることを考えると、あちこちで改良されつつ、人に愛されてきたんだなぁと思います。
ニワトリ図鑑として使える
この本は途中で色々な品種のニワトリを紹介しているので、ちょっとしたニワトリ図鑑になります。
それぞれにちゃんとリアルなイラストがついているので、見るたび「カワイイ!カワイイ!」となること間違いなし(私だけ?)。
ちなみに本書の中での私のお気に入りはオールドイングリッシュゲーム。闘鶏用の、戦うニワトリです。かっこいい!
新書でニワトリ、どうですか?
この本にはいつかお肉になってしまうニワトリや、卵を取るためのニワトリたちのちょっとリアルな現状と数字が出てくるので、そこで少し人間の欲望というか、恐ろしいところが垣間見えます。
でも彼らが私達の食を支えてくれているんですよね。感謝。
こういう本も、探せば新書で見つかります。ちょっとおもしろいでしょ?
あなたも少しニワトリに詳しくなってみませんか?