こんにちは。
私は最近なるべく手持ちの本をKindle化しているのですが、やはりどうしても紙のままでとっておきたい、捨てられない本がいくつかあります。
たとえば写真やイラストがメインでカラーで見なければ魅力が半減するような本。
たとえばKindle版が出ていない本。
たとえばAmazonでももう新品で売っていない、中古しか残っていない本。
今回は私が紙の本のまま捨てずにとっている本の一冊をご紹介します。
「キリック 翼の冒険者」
この本との出会いは、もうあまり記憶にないのです。それだけ何年も前のことです。なんとなく、池袋のサンシャインシティの中の本屋でたまたま見つけてタイトルと帯だけ見て買った・・・ような気がする。
鳥が好きなので、鳥っぽいタイトルに弱いのです。昔から。
映画化決定の話題作?
今思うと、この本は店頭で平積みされていたわけでもなく、背表紙しか見えない状態だったと記憶しています。よく本棚の片隅からピンポイントでこれを抜き取ったものだと思いますが・・・
私がこれをたまたま本屋で見かけて手にとったとき、帯にこんなことが書いてあったんです。
「ディズニー映画化決定の話題作!」
・・・マジ?
どうもディズニーがいち早くこの小説の映画化権を獲得したそうなのです。それはさぞ面白いに違いないと、当時大して読書しない私が珍しく本を買ったのでした。
あまり読書しない人にとっては、こういうファンタジーものみたいな物語や登場人物に魅力がある、読み応えある小説はおすすめですね。没頭しやすい。
この「キリック」はディズニーが作ったら間違いなく面白い映画になると思います。
鳥の王国の危機を救え、小さなコマドリ
舞台はこの世界のどこかにある鳥の王国、バードダム。
物語は主人公のコマドリ、キリックが敵に追われるシーンから始まります。
冒頭からけっこうハラハラさせられる感じ。
ちなみにあなたはコマドリってどんな鳥かご存知ですか?とてもかわいいんですよ。
産む卵が青いんです(ティファニーブルーなんて言ったりしますね)。
どうやらこのバードダムでは、カササギたちがこの国を自分たちだけのものにしようとほかの鳥たちを次々に殺しているようなのです。
キリックは敵の目をかいくぐり、逃げ続けます。
見つからないよう、ずっと気を張り詰めたままの生活。
しかしついに、いままで一緒に逃げていたキリックの友人がカササギたちにやられてしまいます。
幼い頃はこんな暮らしじゃなかった。このあたりのコマドリはぼくが最後の一羽になってしまった。なぜこんな目にあうのか?
しかしキリックはくじけません。
自分が仲間の中で最後まで生きた、それは何か自分にやるべきことがあって、それで生かされているのではないか?と。
いやぁ、すごいです。もう十分主人公の風格です。
そしてキリックは途中、知恵を授けてくれるというフクロウの存在を知り、彼のもとへ飛んでいきます。
その老フクロウ、トマーは人生(鳥生?)に裏打ちされた豊かな知識を持った鳥でした。キリックはいまバードダムがどうなっているのか、これからどうしたらいいのか助言を求めます。
すると、トマーはキリックにあることを頼みます。それはバードダムを救うための任務。トマーはキリックにこの国の未来を託したのです。
トマーからの任務を託されたキリックは使命を果たすため、飛び立ちます。
野生のリアルな戦い
この本を読んでいてけっこう衝撃的なのが、生き残るための野生の戦いがリアルに描かれていることです。
わりと平気で「翼がもげる」とか「引き裂く」とか「血しぶき」とか「刺す」とか「目をくりぬく」とかバンバン出てきます。怖い。
でもだからこそ、野生の厳しさや、一生懸命生きる彼らの命が生き生きしてるな、と感じます。
ちなみにカササギたちは内部の上下関係がどこの悪の組織だよ!ってレベルで強くて、上司からのお仕置きが生死に関わるぐらい危ないです。こっちはこっちで読んでてヒヤヒヤするし、野生の生き残りの戦いとはまた違う恐ろしさを味わえます。
物語の中では鳥だけでなく、うさぎや虫、人間など他の動物も関わってきます。まったく異種族なのに協力してくれたりして、なかなか冒険ものならではのアツいシーンがたくさんあります!
あれ?ここでこの展開??
ちなみにこの物語、本のページを半分くらいまでめくってきたあたりで、けっこう衝撃的展開になります。
けっこう衝撃的展開になります。
二度言いました。
これは絶対言えない!
ぜひ読んでキリックの冒険の行く末を見届けてほしい!
でももう絶版?
ぜひ読んでほしいんですが、Amazonでも新品がなさそうだし、どうもこの本を出した出版社もなくなってしまったみたいです。絶版ってヤツでしょうか。
図書館なんかにおいてないかなぁ。
手に入れにくいかもしれませんが、この冒険ファンタジーの面白さはお約束します!
ディズニーが映画化してくれたらまたどこかの出版社が出してくれそうな気がするんですが、難しいのかな。
映画化、求む!!